呼吸器リハビリテーションとは
呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者さまに対し、身体活動(運動+生活活動)の向上、あるいは維持させ、これにより患者さま自身が自立できるよう継続的に支援していきます。当院では医療・運動療法を中心に、栄養、患者教育などを含んだ包括的医療を行っています。
身体活動 | 安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての営み |
---|---|
運 動 | 身体活動のうち、体力維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの |
生活活動 | 運動以外のもの、職業や家事活動を含む |
また、呼吸器リハビリテーションは専門の医療スタッフの連携によって行われます。
呼吸器リハビリテーションの対象
慢性呼吸不全
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 肺気腫
- 気管支喘息
- 気管支拡張症
- 間質性肺炎
- 塵肺
- びまん性汎気管支炎
- 肺結核後遺症
- Duchenne 型筋ジストロフィー
- 筋委縮性側索硬化症で呼吸不全を伴う症状 ほか
急性呼吸不全
- 慢性呼吸不全の急性増悪
- 外科疾患の周術期 ほか
呼吸器リハビリテーションの必要性
息切れをそのままにして、運動をしないでいるとますます活動性が低下していくため、呼吸器リハビリテーションによって、患者さま自身が自立できるよう継続的に支援していきます。
リハビリによる主な運動
呼吸法訓練、排痰訓練
肺内に残っている痰を排出し、呼吸をうながします。
胸郭の可動性をうながし、呼吸をしやすくします。
呼吸筋、上下肢トレーニングなどの運動療法
腹式呼吸や口すぼめ呼吸などの呼吸法訓練を行い、安静時だけでなく、運動時も楽に呼吸できるようにします。
腕や上下肢のストレッチ、および筋力訓練を行い、運動時の呼吸法を習得します。また胸郭を広げる運動をすることで呼吸を行いやすくします。
持久力訓練・呼吸体操
自転車エルゴメーターや歩行訓練、呼吸体操などの運動を取り入れた訓練で、運動時の呼吸法を習得し、運動時の息切れをコントロールできるようにします。
嚥下訓練
VE(嚥下内視鏡検査)の結果から、食物形態・摂食体位・摂食方法などの治療方針を医師と決定し、誤嚥や咽頭残留を減少させ、安全な摂食・嚥下訓練を行っています。
また、安定した食物形態が提供できるよう、栄養科と毎月フードスタデイを行っています。全段階の食事を試しながら互いにチェックしあい、物性の再現性にも努めています。