主な設備
当院では、最新の検査機器を揃え、最良の呼吸器疾患診療の提供に努めております。
- 超音波診断装置
- 胃カメラ
- 気管支鏡
- X線透視装置
- X線レントゲン装置
- 血液ガス測定装置
1.5テスラMRI
MRI検査は放射線を用いることなく、超電導磁石と電波によって体内の断面画像を得る検査です。体内の水素原子核が持つ弱い磁気を強力な磁場で揺さぶり、ラジオのFM放送などでも使用されている電波を使用し、原子密度を計測することで断面画像が得られます。
検査時間は約10〜15分で、CT検査では精密に調べられない部位や臓器を詳細に検査できます。
がんなどの場合、早期に転移の有無や進行を調べる必要があり、MRI検査は大変重要なものとなります。
超音波気管支鏡(EBUS)
肺がんが疑われた場合、確定診断の検査に当院では超音波気管支鏡を採用しています。従来の経気管支肺生検では正確な診断ができる確率が30〜50%でしたが、超音波気管支鏡は、がん組織の検体採取量を増やすことができ、より正確な診断ができます。
また、超音波気管支鏡は低侵襲医療であり、患者さまの検査などに対する痛みなどの負担が比較的小さくすむことも特徴のひとつです。
64列CT
CT検査は身体にX線を照射し、透過したX線量の差をコンピュータにより処理することで、身体内部の輪切り像(横断面)を画像化する検査です。また、断面画像を集合させて精密な3D画像を作成し、病変の大きさや場所など正確な診断も可能となります。
現在、CT検査は肺がんの検査には欠かせない存在となっており、比較的輪郭のはっきりした白い影が映ります。がんの場所や大きさ、リンパ腫の腫れを確認することで、正確な診断に役立てます。
ポリソムノグラフィー(PSG)
睡眠時無呼吸症候群の検査には、簡易検査と確定診断(PSG検査)があります。
簡易検査に使用する装置は睡眠中の呼吸・酸素飽和度・呼吸運動・体位などを調べ、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかどうかを調べます。就寝時に、呼吸をモニターする腕時計タイプの機器を装着し、一晩中検査を行ないます。簡単に装着できるので、ご自宅での検査も可能です。装置は当院より貸出し、翌日に返却していただきます。
PSG検査は当院で装置を装着した状態で一泊入院して調べる専門的な検査です。得られたさまざまなデータから睡眠の深さ、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率、呼吸状態の詳細を算定し、睡眠時無呼吸症候群の診断を行います。無呼吸症候群の治療が必要と医師が判断した場合は、継続してサポートします。
当院ではPSG検査専用の病室を3床設置しています。
精密肺機能検査機器
肺機能検査でよく使用される検査機器「スパイロメータ」は、実際に空気を出し入れしている換気量(肺活量)や、瞬間的呼吸抵抗を示す1秒率を計測できても、肺に換気されない肺容量など肺機能の全容は計測できません。
当院では、機能的残気量や肺拡散能力など肺の全機能を数値的に評価できる「チェスタック」、従来の呼吸器機能検査では反映されなかった末梢気道の状況を評価できる総合呼吸抵抗測定装置「モストグラフ」など、精密な肺機能検査機器を完備し、より正確な診断を可能にしています。
チェスタック
モストグラフによる結果出力画像。左が健常者、右がCOPDの症例上が健常者、下がCOPDの症例
クライオバイオプシー
クライオバイオプシーとは、窒素または炭酸ガスをプローブ内に循環させ、組織を凍結して採取する新しい技術です。
例えば肺がん疑いの患者さまの診断を行う際は、通常気管支鏡で生検鉗子という洗濯バサミのような道具で組織をとり、それを病理医が顕微鏡で診断を行います。
しかし、気管支鏡用の通常の生検鉗子でとれる組織の大きさは、せいぜい1mm程度、大きくても2mm程度です。組織が小さい分、病理診断が困難な場合があります。
そこで、クライオプローブという新たな生検手段が、欧米では以前から用いられており本邦でも2017年3月に保険適用となりました。
クライオプローブの先端部が-45℃の低温となり、組織を凍結し、周囲ごと引きちぎることで組織を採取します。採取できる組織の大きさは、鉗子生検での検体よりも非常に大きく、高い診断率が報告されています。これは、肺がんの組織診断や特に間質性肺炎の病理診断にも適しています。
PCR検査
ウイルスの遺伝子を専用の薬液を用いて増幅させ検出させる検査方法です。当院では、鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査を実施しています。感染してから発症する数日前から検出可能です。
抗体定量検査
ファイザー社やモデルナ社のメッセンジャーRNAワクチンは、コロナウイルスの表面にある「S(スパイク)蛋白」に対する抗体ができます。この検査は、S蛋白に対する血液中のIgG抗体価(抗体量)を測定します。ワクチン接種の効果判定の目安となります。当院では、個人差のある抗体の産生を定量的に図ることが可能です。