中日新聞尾張2017年11月20日「教えて!ドクターQ&A」コーナーで、当院の齊藤院長が回答しました。ぜひご覧ください。
A.肺気腫は治りますか?また、もし治らない場合、毎日何に気をつけて生活すればよいですか。
Q.肺気腫とは、タバコなどの有害な煙を吸うことにより、肺を形作っている肺胞が壊れてしまい、肺胞の支えを失った気管支が閉塞してしまう病気です。肺は、肝臓と違い、再生能力がほとんどない臓器です。ですから、一度壊れてしまうと普通では治りません。そこで欧米では、重症の肺気腫に関しては、肺移植も行われていますが、日本では、肺移植はまだまだ難しいのが現状です。そこで治療としては、気管支拡張薬の吸入や内服治療に加えて、呼吸器リハビリテーションおよび栄養管理がメインとなってきます。呼吸器リハビリテーションにおいては、呼吸筋を鍛えることはもちろん、上肢や下肢の筋力をつけることにより、息苦しさが軽減します。更に、呼吸にあった栄養をつけることにより、よりリハビリテーション効果が発揮できます。
その他当然、日ごろ気を付けることしては、まず禁煙です。タバコが原因ですので、喫煙をしている限り肺気腫は進行します。その他、有害な煙をできるだけ吸わないようにすること、また、風邪などをひくと肺炎になりやすくなり、肺がさらに破壊されることもあります。なので、常日頃より、マスクをするなど予防が大切になります。また、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンもできる限り受けておくことが大切と思います。